子どもの頃に観たジブリ作品。
あのトトロや千尋が、自分の知らない国で愛されていること、あなたは知っていましたか?
スタジオジブリの映画は、いまや“日本のアニメ”という枠を越え、世界190カ国以上で配信されるグローバルコンテンツとなりました。
でも、どの国でどの作品が人気なのか? なぜアメリカではNetflixで観られないのか?
意外と知らない“ジブリの海外事情”が、今ジブリファンの間でじわじわと話題になっています。
この記事では、ジブリ作品の国別配信状況や視聴傾向、そして作品がどう評価されているのかを徹底解説。
あなたの大好きなあの名作が、どこで、どんなふうに観られているのか。
ジブリファンならきっと気になる「世界のジブリ事情」、一緒に見ていきましょう。
この記事を読むとわかること
・スタジオジブリ作品が海外でどの国に配信されているか
・Netflixでの地域別配信状況とスタート時期
・アメリカ、韓国、フランスなど各国の人気作品と傾向
・ジブリ作品が世界で愛される理由と今後の配信展望

スタジオジブリ、世界に飛び立つ
スタジオジブリのアニメ映画は、日本だけでなく世界中の人々に感動を届けてきました。
しかし長年、海外ではジブリ作品の視聴が限られており、DVD輸入やファン上映などに頼っていた時期もありました。
2020年、Netflixが世界190カ国以上へのジブリ作品の配信を開始したことで、その流れが大きく変わります。
今では「ジブリ=世界のアニメ」として、あらゆる国の人々に親しまれる存在となっています。
ジブリ作品のNetflix海外配信スケジュール
Netflixは2020年2月から3か月にわたって、ジブリ作品の段階的な配信をスタート。
対象は日本・アメリカ・カナダを除く全世界です。
配信スケジュールは以下の通りです:
・2020年2月:『ラピュタ』『トトロ』『紅の豚』など第1弾7作品
・2020年3月:『もののけ姫』『千と千尋』『魔女の宅急便』など第2弾7作品
・2020年4月:『ハウル』『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』など第3弾7作品
・2024年9月:『火垂るの墓』が新たに配信対象へ(日本・アメリカを除く)
この取り組みにより、ジブリファンが世界中で同時に作品を楽しめるようになりました。
国別の人気作品と視聴傾向の違い
スタジオジブリはどの国でも支持されているものの、人気作品や受け取り方は地域によって大きく異なります。
ここでは代表的な国の傾向を紹介します。
フランス|芸術としてのジブリ
フランスではジブリ作品が「アニメ」ではなく「芸術」として受け止められており、劇場での再上映も活発です。
『もののけ姫』や『風立ちぬ』など哲学的なテーマの作品が高く評価されており、宮崎駿監督は“フランスでもっとも尊敬される日本人”の1人とも言われています。
韓国|20代女性に圧倒的人気
韓国では『魔女の宅急便』や『耳をすませば』が特に人気。
SNSでは「癒し」「自立」「レトロ」といったキーワードとともに語られており、カフェ文化との相性も抜群です。
最近では「#ジブリ風ルームメイク」など、生活スタイルにも影響を与えています。
ブラジル|トトロは子ども番組感覚
ブラジルでは『となりのトトロ』が親子向けアニメとして定着。
英語圏では大人向けとして紹介されることが多い作品ですが、ブラジルでは教育番組のように扱われる場面もあります。
ドイツ|環境テーマに共鳴
『ナウシカ』『もののけ姫』といった自然・文明の対立を描いた作品が人気で、エコロジー思想との相性が非常に良い国です。
環境教育や社会学的観点から学校教材として紹介されることも。
英語圏の配信事情と違い
アメリカではNetflixでジブリ作品を観ることはできません。
その理由は、アメリカではHBO Maxがスタジオジブリの配信権を独占しているからです。
・HBO Maxでは21本のジブリ作品を高画質で配信中
・『千と千尋の神隠し』はアカデミー賞受賞作として定番視聴
・ディズニー配給時代の名残で英語吹替の質が非常に高い
一方、イギリス・オーストラリア・インドなど英語圏の多くの国では、Netflixでジブリ作品を問題なく視聴できます。
ジブリ作品はなぜ世界で愛されるのか?
国境を越えてジブリ作品が愛されるのは、単に「かわいい」「懐かしい」からではありません。
その魅力は次のような点にあります:
・文化的背景を問わず共感できる“普遍的なテーマ”
・視覚で語る「映像詩」とも言えるストーリーテリング
・正義と悪を明確に分けない“人間らしさ”の描写
・家族・自然・死といった深い問題提起
言葉の壁を越え、価値観の違いを超えて響くからこそ、ジブリは“世界のアニメ”として存在しています。
2025年、日本国内でも変化の兆し
これまで国内では「ジブリ作品は配信されない」が常識でした。
しかし、ついにその流れが変わり始めています。
2025年7月15日、Netflixで『火垂るの墓』が日本国内初配信されることが決定。
この動きにより、他の作品の国内配信も期待されており、今後の展開が注目されています。
くわしくはこちら
火垂るの墓がNetflixで国内初配信|海外評価と再注目の理由とは?
まとめ|ジブリは“世界の共通言語”になった
かつては限られた映画館や輸入DVDでしか観られなかったジブリ作品が、今では世界190カ国以上で配信されています。
その普遍的なメッセージと映像美は、国境や世代を越えて人々の心を打ち続けています。
これからのジブリは、日本のものだけではなく、世界のもの。
その配信の広がりとともに、作品への解釈や感動もまた、無限に広がっていくでしょう。
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