トルコ人ビザ免除一時停止の要望とは?埼玉県知事の訴えと外務省の対応|移民と難民申請の現状

2025年8月、埼玉県の大野元裕知事がトルコ人に対する短期ビザ免除の一時停止を外務省に要望したことが注目を集めています。

増加する難民申請、地域住民の不安、そして日本の移民政策のあり方とは?

この記事では、現状を中立的に解説し、今後の課題をわかりやすく整理します。

埼玉県知事が外務省に提出した要望の内容

2025年8月4日、埼玉県の大野元裕知事は外務省を訪問し、松本尚政務官に対してトルコ国籍者への短期ビザ免除を一時停止するよう求める要望書を提出しました。

要望書の主な内容は以下のとおりです。

  • 就労目的での入国や長期滞在など、ビザ免除の趣旨を逸脱した利用が増加している
  • 難民申請を繰り返し行うことで滞在を継続している事例が多く見られる
  • 一部の犯罪行為によって地域住民の不安が拡大している
  • トルコへの不信感が高まることで国際関係にも悪影響が懸念される

県には「治安が悪化している」「制度を悪用されているのでは」といった声が2023年と2024年にはそれぞれ約400件、2025年度は5月末時点ですでに70件寄せられています。

難民申請制度の実態と課題

日本では、トルコ人を含む73カ国・地域に対して短期滞在ビザを免除しています。

トルコ国籍者はパスポート1つで入国し、その後に難民申請を行うことで審査中は強制送還されず滞在を継続できる制度があります。

出入国在留管理庁によると、2024年末時点で川口市に住むトルコ国籍者約2200人のうち75%が難民申請中であり、そのうちの多くがクルド人と見られています。

申請が不認定でも、繰り返しの申請によって滞在を続けるケースが増えており、国籍別の申請数ではトルコが最多で全体の46%を占めています。

外務省の立場と対応

トルコ人ビザ免除一時停止の要望とは?埼玉県知事の訴えと外務省の対応|移民と難民申請の現状

外務省は現時点でトルコに対するビザ免除の停止には応じていません。

岩屋毅外相は国会で「直ちに停止することは考えていない」と答弁しています。

その背景には以下の理由があります。

  • トルコとの相互ビザ免除は1958年から継続されており、外交的に重要な協定となっている
  • ビザ免除は両国の友好関係を促進する目的もあり、単純に制度を廃止することは慎重に検討すべきとの立場
  • 運用上の課題があるにせよ、全体の制度に直結させるのは時期尚早であるという見解

地元住民の声と地域の変化

川口市をはじめとした地域では、外国人住民の増加にともなう生活上の摩擦や、治安への不安の声が広がっています。

  • ごみ出しルールや騒音など、生活習慣の違いによるトラブル
  • 公園や公共施設での利用マナーに関する苦情
  • 難民申請中の外国人が就労している実態に対する不満

SNS上では「地域住民の人権はどうなるのか?」といった言葉が書かれた画像が拡散され、問題は政治や法律の枠を超えて、地域社会の感情に深く関わるテーマとなっています。

海外の視点:トルコとクルド人をめぐる国際情勢(2025年7月時点)

2025年7月に公開されたHuman Rights Watchの最新レポートでは、トルコ政府によるクルド人に対する取り締まりが続いており、報道や言論活動への弾圧も指摘されています。

ヨーロッパ諸国では、クルド人に対する迫害を考慮し、ドイツ、スウェーデン、オランダなどが比較的柔軟に難民として受け入れている事例も報告されています。

一方、日本では難民認定率が依然として低く、2024年の認定率はおよそ1.2%。

このため、保護が必要な人々が制度の厳しさにより排除されてしまう可能性が懸念されています。

難民制度と地域社会の共生は両立できるか?

現在の制度では、難民申請中であれば長期間滞在が可能となるため、一部では「制度の悪用」と捉えられることもあります。

しかし、迫害から逃れてきた人々に対して人道的支援を行う責任も、日本社会には求められています。

制度の厳格化だけでなく、地域での多文化共生、外国人支援団体との連携、日本語教育の充実など、幅広い視点からの政策設計が必要です。

ここで問いかけです。あなたは「制度の見直し」と「人道支援」のどちらを優先すべきだと思いますか?

一問一答で整理する|今回のビザ免除問題

Q. 埼玉県知事は何を外務省に要望した?
A. トルコ人への短期ビザ免除の一時停止を要望した。

Q. なぜ問題になっている?
A. 難民申請を繰り返し行うことでの長期滞在や、地域での治安不安が広がっているため。

Q. 外務省の対応は?
A. トルコとの友好関係を重視し、現時点でビザ免除を停止する予定はないと説明している。

Q. トルコ国籍者の多くは誰か?
A. トルコ国内で迫害を受けていると訴えるクルド人が多いと見られている。

Q. 今後の焦点は?
A. 外務省の制度見直し、地域住民との共生政策、国際人権への対応のバランス。

筆者の立場と現地からの視点

以前から川口市における外国人問題が大きく取り上げられています。全国の市町村で最も外国人の多い自治体であることで知られています。

最近では、お隣の蕨市でも、在留外国人数は、2024年1月1日時点で約4,642人。これは、蕨市全体の人口の約9.8%を占めており、10人に1人が外国人という状況になっています。

私は埼玉県在住のライターとして、川口市や近隣地域の外国人支援団体や市民グループを取材してきました。

そのなかで、多くの外国人が日本語を学び、地域の清掃活動に参加しようとしている姿も見てきました。

制度の改善は必要ですが、同時に「誰と、どのように共に生きるか」を真剣に考える時期に来ていると実感しています。

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