「盤石」の象徴とされた和歌山の保守勢力に、大きな亀裂が走りました。
2025年7月、参議院和歌山選挙区で行われた一戦は、単なる地方選では語れない“保守分裂”の縮図でした。
勝利を収めたのは、自民党所属ではなく無所属の望月良男氏。しかもその背後には、自民党の大物・世耕弘成前参院幹事長が。
そして敗れたのは、かつて“キングメーカー”と称された二階俊博氏の息子、二階伸康氏。
政治王国と呼ばれた二階家の“落日”が、今、多くの有権者の間で語られています。
無所属の勝利、そして「世耕支援」という戦略|和歌山の構図が激変
7月21日午後11時すぎ、当選確実が報じられた瞬間、望月陣営の詰めかけた支援者から拍手と歓声が湧き起こりました。望月氏は第一声でこう語りました:
「この結果は支援してくれた全ての皆さんの力。世耕先生と一緒に現実的な政策を実現していきたい」
望月氏は無所属ながら、政策実務に明るく、長年行政とのパイプを持つ人物です。その望月氏を支援したのが世耕弘成氏。つまりこれは保守内の“新旧交代”を明確に示す構図だったのです。
あなたの地域では、今どのような政治的世代交代が起きていますか?
二階家の“復権選挙”失敗|支援者の前で深く頭を下げる息子・伸康氏

二階伸康氏にとってこの選挙は、2024年の衆院選落選からのリベンジでした。
しかし結果は再び敗北。敗戦の弁は静かでした:
「責任はすべて候補者である私にあります」
かつての「二階王国」は、地元和歌山で絶対的な支配力を持っていました。
父・俊博氏は、官房副長官や幹事長を歴任し、安倍政権・菅政権を陰で支えた立役者です。
しかし、時代は変わった――。その事実を和歌山県民が示したともいえる結果となりました。
地方保守勢力の再編は全国に波及するか?
和歌山だけでなく、全国の地方でも自民党の一枚岩構造は崩れつつあります。
- 高知・秋田などでは非主流候補の躍進
- SNSや若年層による新しい情報空間の影響
- 「派閥政治への疲弊感」が中高年層でも拡大中
あなたは、現在の地方政治にどんな不満や期待を持っていますか?次に動くのは、あなたの県かもしれません。
【海外メディア分析】“The Rise of Independents in Japan”と報じた米VOA
米国のVoice of America(VOA)は今回の選挙についてこう分析しています:
“The election result in Wakayama is a signal that the Japanese electorate is demanding renewal, even within traditionally conservative regions.”
(和歌山の選挙結果は、保守地盤とされる地域においても刷新を求める有権者の声が強まっている証だ)
これは、二階氏の敗北以上に、日本の民主主義の変化が世界から注目されているという事実を示しています。
望月×世耕ラインの今後と「新・保守主義」の可能性
望月氏と世耕氏の連携は、単なる個人の応援関係ではありません。背景には、次のような戦略があると見られています:
- 保守の中から「派閥依存ではない実務型政治家」の育成
- 無所属当選からの自民復党の流れ(選挙後の影響力を加味)
- 国政再編における地方発の連携モデル
あなたは、「新しい保守」のあり方にどんな期待を寄せていますか?改革派か、現状維持か──その選択肢を、私たちが今問われています。
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